長岡大学 第十六期 卒業生に贈るメッセージ

卒業生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。また、これまで卒業生を支えてこられたご家族の皆様にも、心からお慶び申し上げます。
めでたく卒業の日を迎えられた卒業生の皆さんは、晴れて社会人としての一歩を踏み出されるわけですが、これから始まる新しい生活への大きな期待と多少の不安を抱いていることでしょう。とくに、就職という人生の節目は本当の意味で子どもから大人に変る節目という印象も強く、一人前の大人として交流や活動の幅が広がることを期待する一方で、いろいろな場面で責任ある行動が求められることへの不安を感じているかも知れません。しかし、皆さんは「幅広い職業人としての人づくりと実学実践教育の推進」と「地域社会に貢献し得る人材の育成」という本学の建学の精神の下、大学の学びを通して実践的な専門知識・技能と社会人基礎力をしっかりと身に付けられました。これらの強みを活かして、卒業後も各職場や地域社会の中で自立した社会人として大いに活躍されることと信じています。
さて、皆さんはこれからの人生をどのように過ごそうと考えていますか。すでにご存知のように、日本政府は「人生100年時代構想」というこれからの社会の在り方についての方針を示しています。100歳まで生きることが当たり前のようになる日本社会では、現役で働き続ける年齢も必然的に高くなり、仮に80歳まで働くとすれば大学を卒業してから50年以上を経過することになります。一方、情報通信技術が急速な発展を続ける現代社会では、私たちの生活や仕事の場にもインターネット、AI(人口知能)、ロボット等がすでに広く入り込んでいます。これら情報通信技術の発展が、今ある職業や仕事の多くを奪ってしまうという話もよく聞かれます。逆に、これまでは存在していなかった新しい職業や仕事が次々と生み出されてくるとも言われています。いずれにしても、時代の変化は速く、最先端の知識や技術も数年経てばあっという間に古くなってしまいます。つまり、このような時代を生き抜いていくためには、私たちは常に学び続ける必要があるのです。私たちが、これからの社会の中に立ちはだかる様々な課題に立ち向かって乗り越えていくためには、情報通信技術等を活用しながらも、常に自身の能力を高める意識と学び続ける姿勢を持ち続けなければならないことを心に留めておいて欲しいと願っています。
ところで、卒業生の皆さんには私から一つの言葉を贈りたいと思います。「切磋琢磨(せっさたくま)」という言葉は、どこかで一度は聞いたことがあるでしょうし、その意味も何となく理解しているのではないでしょうか。あらためて調べてみると、この言葉の語源は中国最古の詩集『詩経』にあり、「切」は骨を切って加工すること、「磋」は象牙をみがくこと、「琢」は玉を打って形を整えること、「磨」は石をみがくことという意味だそうで、骨、象牙、玉、石は、いずれもそれぞれに合ったみがき方で美しい宝石になるとも意味づけられています。皆さんはまさに宝石です。それぞれに合ったみがき方を施すことで輝きをどんどんと増すことになります。これからの人生の中で、自らも色々なみがき方を試し、切磋琢磨しながらお互いを高め合える人との出会い等を通して、輝き続けられることを祈念しております。
この度、新型コロナウイルス感染症対策のために卒業式を中止することになりました。卒業生の皆さんにとって、卒業式は人生の節目として大変重要な行事であり、本学にとっても皆さんを社会に送り出す大切な行事であると認識しております。しかしながら、出席者やその関係者を含めた多くの方々の身体・生命の安全の確保、そして感染を拡大させてはならないという社会的責任の重さを考え、中止という苦渋の決断に至りました。卒業式を心待ちにされていた卒業生と保護者・ご家族の皆様には、あらためてお詫び申し上げます。
長岡大学の教職員一同、卒業生の皆さんのこれからのご活躍を大いに期待するとともに、皆さんを応援し続けます。そして、皆さんにはぜひ長岡大学の同窓生として、後に続く後輩たちを応援していただきますようお願いいたします。皆さんが、将来の各職場や各地域で活躍し、真に「地域社会に貢献する人材」となってくれることを祈念して、お祝いのメッセージとさせていただきます。ご卒業、誠におめでとうございます。

 

令和2年3月18日
長岡大学学長
村山光博